刻一刻国医

とある医学部生のブログ

人生の転機

人生には大人になったということが自分ではっきりと分かる時期が何度かあると思う。

所謂転機というものだろうか。

 

 

私が直近で転機を迎えたのは大学に入学した年、2019年、18歳のときである。

 

大学に入学して、高校までの頃のように心の底から笑うということがほとんどなくなった。周りの人は大体みんな友達だという感覚もなくなった。

 

それまでの何もかもが楽しいような感覚が嘘のようだった。

私はそれまで比較的テンションの高い人間だったのだが、電源をオフにしたかのようにすっとテンションが下がった。

 

その数年前、私は高校に入ったばかりで藤田ニコルが18-19歳ぐらいの頃、テレビ越しに見る藤田ニコルのテンションがすっと下がった(これはあくまで主観だが)ことが私は気になっていた。勝手にうつ状態なのではないかとも思った。でも同じような変化が自分にも起きた。

 

楽しくない代わりに、それまでよりも冷静に物事を見ることはできるようになった。それまではいろいろなことが最終的には楽しいという気持ちで塗りつぶされていたのが、楽しさを取り除くと見えなかったものが見えてきた。

 

私の母の口癖である「人間死ぬときは1人だから」が脳裏に浮かんだ。

 

高校生の頃までの何もかも楽しく感じられた自分に戻りたいと思うことは多いが、少しずつ楽しくないことを受け入れられるようになってきた。

 

 

では、逆に楽しさを感じるようになった転機はいつかというと、これは小学校4年生の後半である。はっきりと覚えている。

 

それまでの私はイヤなやつだった。自己を開示することが苦手で、親や先生に言われることをそのまま自分の中に取り入れて、いつも「いい子」でいようとしていた。もしくは人見知りでモジモジしていた。

 

しかし、小学校4年生の後半あたりでふざけることが楽しくなった。というよりも元々自分が「いい子」でも「真面目な人間」でもないことに気づいたといった方が正確かもしれない。「なんでもバスケット」でふざけているときに頭の中の蓋が外れるような感覚があり、その頃から物事を本当に楽しめるようになった。

 

 

小学校4年生の後半から高校卒業まで、8年半。

今思うと思春期、青春というものだったのだろう。

このような何もかも楽しめた時期が自分にあったことに感謝している。

 

これから私がどうなっていくかは分からない。

楽しさを取り戻すかもしれないし、より一層閉じこもった性格になるかもしれない。

どちらにしても、また転機を迎えて世界の見え方が変わることが楽しみである。